最後に星空を見たのはいつですか? 
~宇宙から物事を考えてみる~

目次

外から地球を眺める経験

ここ数日『宇宙』という言葉が、ネットやマスコミを騒がせています。ZOZOTOWN創業者の前澤友作氏が、日本人初民間宇宙旅行に出かけたからです。彼のTwitterやYouTubeでは、毎日宇宙からの写真や動画が配信されていました。

配信される映像を見ていると、自分も地球を外から眺める経験をしてみたいという感情が浮かんできました。海外に住んで日本を外から見た経験は、今の私を形作っている要素の一つです。今度は宇宙から地球を見る経験をするとどのような感覚になり、またそこから自分がどのように変わるのか。想像しただけでワクワクします。

今回の宇宙旅行は二人で100億円以上の費用がかかっていると噂されていますし、宇宙へ行く訓練もたくさん必要なのでハードルはまだまだ高いようです。近くなったと言ってもまだ遠い存在である宇宙ですが、手軽に宇宙を感じる方法があります。それは夜空に輝く星々です。

 

最近のプラネタリウムは映画も見られる

週末妻に急用ができ、子供二人と一日過ごすことになりました。宇宙のことが頭にあったからか、近所のプラネタリウムが頭に浮かびました。以前子供を連れて行ったことがあるのですが、その時は真っ暗になるのが怖かったのか途中で出てしまいました。

ホームページで調べると『キッズプラネタリウム』という新しいプログラムが目に留まり、子供二人を連れてプラネタリウムへと出かけました。

このプラネタリウムは解説員が生解説をしてくれるので、会場の子供たちとの双方向のコミュニケーションもあり、子供も興味津々で鑑賞することができました。プラネタリウムで映し出される星空は、晴れていた場合にプラネタリウムがある場所から見られるものと同じになっており、普段何気なく見ている星空を解説してもらえたので私も興味を惹かれました。

また星座の紹介では子供向けプログラムらしく、かわいいイラストの星座を使いながら子供たちの関心を惹いていてくれました。途中短いアニメ映画も挟みながら、どの子供も最後まで楽しく鑑賞することができました。

幼稚園児の子供たちよりも大人の私の方が、久しぶりに惑星や宇宙への憧れを思い起こさせられました。

 

星座とは星と星を繋いだ絵のこと?

星に興味が出たのでネットで調べていると、星座に関する意外な事実を見つけました。

皆さんは星座とは、『星の並びから想像された絵』や『星を繋いだ線』のことだと思っていませんか?

実は星座とは、天空を88に分けた空の領域のことを指しているそうです。

昔の人が描いた星の並びをもとにして定められてはいますが、天球上の位置を示すための〝空の住所〟なのです。地球上で言うと国境線に囲まれた国土のようなもの、と言えば良いでしょうか。星座の星は境界で分けられ、必ず1つの星座に属しています。(中略)
昔は大まかな空の目印で良かった星座ですが、天文学の発展と国際化にともない〝正確な空の地図(=星図)〟を世界中で統一して使う必要が出てきました。そのため国際天文学連合が1928年の会議で全天88星座と境界を決定したのが、現在の星座です。

多摩六都科学館 Blogより 
天空は88の星座で分けられている 多摩六都科学館 Blogより 

 

星座とは紀元前に羊飼いたちが空を見ながら想像を膨らませて、物語を作っていた時に生み出された絵だと思っていました。それがたった100年ほど前に、それも天文学的な利便性のために定義された空の住所を示す地図だったとは。夜空のキャンパスに絵を描くのは想像力を持つ人間にしかできないことですが、画一的に夜空を区切ることはAIにもできそうです。

時空を超えて変わりなく輝き続けてきた星空に対して語り継がれてきた『物語(文化)』と、天文学の発展のために作られた『空の地図(文明)』というギャップにも、面白さを感じました。

360度カメラでとらえたプラネタリウムの写真もあったので、興味のある方はこちらからご覧ください。

 

関心をバーチャルで広げ、リアルで深める

プラネタリウムや360度映像などバーチャルで星空への関心が広がったら、今度はリアルで感じながら深めたくなります。リアルな天体観測に不可欠なものと言えば、天体望遠鏡ですね。

皆さんは子供の頃、天体望遠鏡を持っていましたか?私は小学生の時に通信教育(赤ペン先生)で、ポイントを貯めてもらった望遠鏡が思い出です。確か一年以上ポイントを貯める必要があり、手に入れた時は嬉しくて毎日覗いていました。

そんな思い出の望遠鏡も実家の建て替えと共に処分してしまい、今は肉眼で星空を見るしかない状態です。幼稚園児の子供たちはまだ天体望遠鏡への憧れがないようですが、私が楽しそうに使っていれば興味を持ってくれるはずということを言い訳に、天体望遠鏡を手に入れようかと検討中です。

子供は親が期待したように興味を持ってくれることは少ないと感じていますが、できるだけ多くの経験や機会を提供し、そのなかから自分の興味を見つけ深めて欲しいなと思っています。

 

宇宙や星座から考えたこと

今回宇宙や星座のことを考えていると、色々なことに思い至りました。

地球は数ある惑星のなかの一つであり、宇宙をどのように捉えるか。また宇宙という共有財産をどのように活用していくべきなのか。これまで地球の資源を我が物顔で身勝手に使ってきたのと同じ姿勢で宇宙を扱うと、とてつもないしっぺ返しがあるのだろうなと思いました。宇宙人が我々地球人を駆除しに来ることも、ないとは言い切れませんね。

我々が見ている星というのは、少なくとも人類が誕生してからほとんど変わることなく存在しているのです。星空を眺めると、自分の親や祖父母、さらにその前の世代へと通じている感覚にもなります。

また宇宙や星の時間軸で考えてみると、我々の一生や人類史そのものが小さな存在だとも思えます。そんな短い時間しか持たない我々人間だからこそ、きっと一日一日を考えながら一生懸命に生きる。思い悩んでもできることは、宇宙視点で見るととても限られているのだから。

皆さんも冬の夜空を眺めて、物思いにふけってみませんか。