(閑話)お出かけスポット紹介 
~大宮鉄道博物館~

目次

関心を持つと好きになる

『皆さんがはまっているものは、何ですか?』

私は最近『鉄道』に、はまっています。子供の頃は鉄道への興味はなく、パイロット(飛行機)になって色々な国に行きたいなと思っていたくらいです。息子が電車好きで電車の玩具や図鑑をプレゼントしていましたが、私自身興味はありませんでした。

私は仕事で関わる業界や製品・サービスには、できるだけ関心を持つようにしています。今年は新たに、鉄道に関係する仕事に関わることになりました。鉄道業界や車両などについて調べていると関心が高まり、気付いたら好きになっていたようです。ヒトでもモノでも関心を持っていると、その対象への興味が高まり愛着がわきます。ノーベル平和賞を受賞した作家エリ・ヴィーゼルの言葉である、『愛(好き)の反対は無関心』ですね。

仕事からの縁で息子と共通の趣味(鉄道)を持つことが出来たので、息子と二人で週末を楽しんでいます。秩父鉄道のSLパレオエクスプレスは、私も息子も蒸気機関車の初体験でした。また誕生日プレゼントとして送った鉄道図鑑で、鉄道の仕組みについて勉強しています。仕事と趣味を重ね合わせるのは、私の特技かもしれません。

 

息子のお気に入り『鉄道博物館』

鉄道ファンの先輩である息子(幼稚園児)のお気に入りは、埼玉の大宮(さいたま市)にある鉄道博物館です。今年鉄道開業150周年を迎えましたが、150年前に新橋・横浜間を走っていた1号機関車をはじめとした様々な蒸気機関車が展示されています。また新幹線の初代(0系)や200系、様々な貨物列車、歴代の天皇陛下を乗せた御料車など、魅力的な電車もたくさん展示されています。それに加え、電車の運転を体験できるシミュレータや、実際に動くミニ列車を運転できたり、電車に使われている科学を体験しながら学べたりするコーナーまであります。また大人のプラレールであるHOゲージで作られたジオラマも圧巻です。

みどりの窓口(新幹線の切符販売)体験
本格的なシミュレータ体験
実際に運転することができるミニ列車

開館の朝10時から閉館の17時まで滞在しても、回り切れないほどです。仕事でもプライベートでも緻密な(細かい)私は、分刻みのスケジュールを立てて多くの体験を目指します。

私が今回立てた予定表(時期によってイベントの有無や時間は変わります)

分刻みのスケジュールで大人の私でも疲れたのですが、鉄道博物館でテンションMaxの息子は走り回りながらプログラムを楽しんでいました。東京・大宮間の移動に新幹線を使っていることに、疑問を持たれるかもしれません。これは新幹線自由席の往復と入館券がセットになったお得なパッケージが提供されているので、息子を新幹線にのせるために東京駅まで出て新幹線に乗りました。また新幹線も様々なタイプがあるので、事前に使用する車両系統を調べました。

小学生になると参加できる体験プログラムも増えるので、また違った予定の組み方ができるようになります。120%楽しむためには、事前の段取りが大切ですね。

 

変化を続ける鉄道事業者

子供の興味は新幹線や貨物列車など車両に集中しますが、私は鉄道事業者の変化にも興味があります。JR各社の前身である国鉄や、その前の鉄道省からの歴史や変化をわかりやすく簡潔に紹介されている、『国鉄―「日本最大の企業」の栄光と崩壊(石井幸孝)』は面白かったです。著者の石井さんはJR九州の初代社長で、デザイナーの水戸岡鋭治氏を起用されたことでも有名です。また鉄道事業の構造上、人口密度の低い九州では鉄道のみで黒字を計上することの限界を認識し、ビジネスの多角化によりJR九州の完全民営化の基礎を作ったとも言われています。『ななつ星』をはじめとした観光列車が豊富な九州は、今一番行きたい場所です。

人口減少に加え新型コロナにより、これまで黒字を続けてきたJR東日本も21年3月決算から赤字に転落しました。このような危機感から事業の多角化や新しいビジネスの創出、事業運営の効率化や社員の意識改革などを進めています。コンソーシアムを立ち上げ、まちづくりをテーマとした新しいビジネスや仕組を考えたり、金融サービスとしてSuicaやクレジットカードに加え、JRE BANK(楽天銀行のインフラを活用したJREブランドの銀行口座を提供)の提供も発表されました。

黒字化の見通しが立たないJR四国では新規事業のタネを社外に広く募集するなど、広く社外との連携を含めた活動も活性化しています。また小さな変化としては、車両基地などの見学を立派なツアーとして販売していたり、鉄道博物館の一部体験を事前予約販売したりなど、ファン作りと収益貢献の両輪を目指されています。

 

安定した職場というイメージが強かった社会インフラ企業(鉄道や電気・ガスなど)も、生き残りをかけた改革は待ったなしの状況です。鉄道事業者をビジネス視点から考えてみると、新たな発想が見えてくるかもしれません。