アフリカ出身・京都精華大サコ学長 コロナ問題でわかった「日本人のホンネ」 小坂綾子 2020.5.14 11:30 dot.https://dot.asahi.com/dot/2020051100004.html?fbclid=IwAR36mr270uV4zcY-poogfwrrKSLM5k95scibeg2FuRRtGFd8D3Df1yipmo0
「興味深いのは、日本人は政治にそれほど関心がないのに政府に依存し、国からの発言を待っていることです。アフリカも政治不信は同じですが、まだギリギリ地域共同体が機能し、地域の動きを政治家が利用してサポートする例が見られます。昔の日本は、京都の地域住民が国に先駆けて小学校をつくるなど共同体の力がありましたが、今は自治会レベルでも国の決断を仰いでいる。共同体が壊れ、相互扶助もできなくなっています」(記事より)。
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ウィルス後の社会を考えた場合、日本では自己統治としての共同体は考えにくいでしょうね。日本社会は参加型になりにくい。それはパターナリズム(決定を自己ではなく強者に委ねる)が重視されるからです。主従関係が心地よいから能動的に共同主観を形成するようなコミュニケーションは日本の教育では訓練されません。教師と生徒の関係も医者と患者の関係もパターナリズムです。
日本の場合、本来民主主義がもっていた画一性(多数者の専制)に加え敗戦後から今に至るまでアメリカに対するパターナリズムが被さってきたようなものです。ポストコロナの国家の在り方を考える場合、世界と協調する前に日本は乗り越えないといけないハードルがいくつもあるのです。
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