『迷子になる地図』の由来 
~オードリー・タン氏への共感~

当ブログサイトの名前に使っている、『迷子になる地図』。

地図は目的地にたどり着けるようにすることが役割なので、『迷子になる』という言葉との組み合わせに、違和感を持たれた方がいるかもしれません。

今回は『迷子になる地図』に込めた想いについて、紹介します。

 

目次

『迷子を楽しむ』というオードリー・タン氏

『迷子になる』という言葉を使いたいと思ったのは、以下の対談記事を読んだことがきっかけでした。

「我々はいつも迷子、だから楽しい」、台湾デジタル大臣がAI時代の生き方を助言 (日経XTECH)

この記事のなかに、以下のような対話があります。

上田: AI(人工知能)でやれることはAIに頼む。それを続けていったら最終的に人間は何を考えればよいのか。~(省略)
タン: 主に考えられるのは迷子になること、迷子だと感じることです。台湾には「ウーニェン(無念)」という言葉があります。「考えない」という意味です。何も考えていないのではなく、心が無になっている夢の中のような状態(revery)、1つの可能性にこだわらず、色々な可能性を広げていく、といったことです。

(上記記事より引用)

一つの答えを見つける姿勢ではなく、色々な可能性に思考を巡らせる。
そして思考すること自体を楽しむ。

 

絶対的な価値観や拠り所が曖昧になっている今、大切なことではないでしょうか。

 

 

『効率化を求める』ことの弊害

私は学生時代、如何に効率よく勉強をして良い成績を取るかという姿勢でした。

新人社員時代も与えられた仕事を効率よく処理することが、優秀な人材だと思っていました。

 

ところが効率化が目的になると、行為(勉強や仕事)自体は楽しめないのです。

また決まったことを処理しているだけでは、成長していないことにも気づきました。

 

このような疑問を感じていた時に出会ったのが、ibgの代表(好川)でした。

その時に言われた言葉が、『人生に余裕と無駄を持つことは大切だよ』です。

 

 

コンサルタントには余裕と無駄が必要!?

我々はコンサルティング会社なので、余裕や無駄の対極にあるのではと思われるかもしれません。

実際の我々は、多くの時間を社内やクライアントとの『雑談』に使っているのです。

このブログで紹介している我々の考えも、雑談の中から生まれてきたものです。

 

なぜコンサルタントである我々が、雑談を大切にするのか。

 

経営環境が複雑化し変化も早い現代では、コンサルタントから他社事例を学び自社に適用するだけは、企業の成功は叶いません。

企業の経営者やキーマンが、自社の実現したい姿を明確にしたうえで、様々な情報や視点に思考を巡らせ、自社にとって最適な方法を作り上げなければなりません。
そして自分たちで作り出した方法だからこそ、想いを持って推進できるのです。

クライアントが様々な情報や考え方に触れ、視野を広げて納得いくまで考える。
これを促す触媒的な役割を『話し相手』として担うことが、コンサルタントの価値なのです。

 

経営者の話し相手になるには、引き出しを増やすことが大切。
多岐にわたるテーマでの雑談は視野も広がり、もってこいなのです。

そして雑談のためには、時間的・精神的な余裕と無駄が大切です。

 

 

余裕と無駄(迷子)が生み出す効果

雑談を続けていると、自分の視野が広がります。

話題についていくために、読んだことがない書籍を読む。聞いたことのない哲学者の考えを調べる。海外/国内のニュースや記事に触れる。

 

また雑談では自分の考えも聞かれますので、広がった視野や情報をもとに、自分の意見を考えるようにもなります。

 

最初は大変でしたが、引き出しが増えてくると、色々な話題の繋がりが見えるようになります。

そして繋がりを意識して思考を巡らせると、物事の本質を捉えやすくなりました。

 

 

迷子になるにも勇気がいる

効率化が求められる今の社会では、余裕と無駄を保って迷子になるにも勇気が必要です。

 

皆さんが迷子になるために、考えるテーマや情報、考え方などを共有することが、当ブログの目的です。

 

皆さんと一緒に迷子になりながら、考え対話したい。
そんな想いを込めて、『迷子になる地図』と名付けました。