『学問のすすめ』が教えてくれたこと

『学問のすすめ』の最終回は「人望編」です。

「友達をいっぱいつくることが肝要である」と言っています。

いつの時代でも、どの国で仕事をするにも大切なことは、まわりの人たちに理解してもらい支持されることです。

これが「人望」であり「求心力」です。

仕事を決められた期日内に終わらせることだけがリーダーシップではありません。

時間と品質だけを管理するのが管理職の仕事ではないのです。

仲間に対する気遣いやリスペクトがないと、組織としての相乗効果は生まれないもので、
メンバーに対しても、何でも言わせる雰囲気を意識的に作り出すことも、リーダーの重要な仕事です。

実は、これはワーク・ライフ・バランスでもある。つまり、相手のライフも尊重するということです。

自分のライフだけを尊重し、他者に自己主張だけをするのは間違えです。

福沢さんが強調する「人間交際(じんかんこうさい)」、つまり、ソーシャルスキル(社交性)の欠如だと言わざるを得ません。

福沢さんは、「人望論」で以下のことに気をつけなさいと言っています。(少しばかり私の拡大解釈、、、)。

  1. 言語をまなばざるべからず(日本人なんだから日本語をしっかり勉強しなさい)。
  2. 顔色容姿を快くして、一見、直ちに人に厭わるること無きを要す
    (表情は明るく、服装は身綺麗に、外見で人に嫌われることのないようにしなさい)。
  3. 論語「道同じからざれば相与(とも)に謀らず」を誤解しないように
    (考えや主義主張が違う人ともうまく付き合いなさい、
    つまり、コンフリクトからも新たな発見があるかもしれないと言っているのではないでしょうか?
    さすが、「際(きわ)」の魔術師、福沢さんですね。)

「学問のすすめ」の結びは、「人にして人を毛嫌いするなかれ」。
これは海外を見てきた福沢諭吉が日本人に言いたかったことの全てなのかもしれません。

交わりを広くする要はこの心事この心事を成る丈け沢山にして、
多芸多能一色に偏せず、様々の方向に由って人に接するに在り。

腕押しと学問とは、道同じからずして相与(とも)に謀るべからざるようなれども、
世界の土地は広く人間の交際は繁多にして、三、五尾の鮒が井中に日月を消するとは
少しく趣きを異にするものなり。
人にして人を毛嫌いするなかれ。