ここ四半世紀、日本は変わったか?

上記のスライドは1998年の私の社内プレゼンテーションの一枚です。23年前ですから40過ぎ、人生で一番自信満々で鼻持ちならないヤツだった頃です。

アメリカのコンサルティング会社で妖怪みたいなパートナーの重鎮たちに日系企業ビジネスの重要性を説明するのが目的でした(それが自分の存在価値を保持し生き残りに不可欠なことなのです)。直近の四半世紀でアメリカや世界は良くも悪くも大きく変化しました、日本はどうでしょう?

日本の問題は、明治期に中途半端(夏目漱石は「上っ滑り」と言いました)にヨーロッパの近代化を真似したあと、昭和の15年戦争(満州事変から敗戦まで)で破滅して、そのあとは日本文化を忘れアメリカ化に邁進していることです。今も同じです。異質性の認識が言われ始めています。しかし、言うのは簡単ですが、多様性社会にしてもそう簡単に実現されるものではありません。世界の潮流の中、日本は固有の日本精神を棚上げし、弱者を攻撃しはじめ責任を他者に押し付けるように動くのではないかと憂慮に堪えないのです。

スライド最後の「Stop the Market Rigging」は市場の不正操作(相場操縦)のことを言っていますが、実はテレビや新聞の偏向報道だったのかもしれません。20数年を振り返って考えると、多くの日本人はジョージ・オーウェル『動物農場』の馬のボクサーだったということです。無知であれば、どれだけ善良な心を持っていても悪に加担することになるということです。その様子を非常によく表しているのが、この『動物農場』に出てくるボクサーというキャラクターです。

動物農場/アニマル・ファーム(ジョージ・オーウェル)

四半世紀どころか明治維新から視野狭窄の体質は変わらずプカプカ漂っている。これからの四半世紀、過保護な社会(comfort zone)から抜け出し新たな一歩を踏み出すことができるだろうか? 10代20代若者の反抗心に期待したい。