世界史を振り返る
 ~精神の近代化~

政府主導の働き方改革の意見交換が活発になっているようです。


大前提として、世界と日本の歴史の流れ、その中で日本の特異性を頭に入れておいたほうがいいと思いました。


世界史の流れはご存知の通り、ルネッサンス・・・・➡ 宗教革命・フランス革命 ➡ 近代国家の成立です。
一方、日本は戦国時代 ➡ 安土桃山 ➡ 200年以上続いた江戸時代 ➡ 開国・明治維新です。
ルネッサンス以降の欧州近代精神のポイントは以下の3つです。

  • Humanism(人間主義)
  • Rationalism(合理主義)
  • Personalism(人格主義)

夏目漱石(『三四郎』、『私の個人主義』)や森鴎外(『青年』)など明治の文豪は、日本の近代化に対し問題提起しました。 明治の文豪たちは鹿鳴館の上滑りの大騒ぎを見て、精神の近代化が文明に追いついていないことを憂いたのでしょう。

福沢諭吉は『文明論之概略』の中で「文明は手段で文化は目的だ」と言っています。

近代精神の中でも重要な意味を持っているのが Personalism です。 自分自身を目的とする自律的能動的な主体として自分を考えるのです。 カントのいう人格自律の信念です(利己主義でなく利他的個人主義)。
この信念の不徹底な社会は、どんなに表面的な文明が進んだとしても、それは近代社会とは言えません。


惰性的な50代にならないためには、20~40代に理想をもって日々の仕事を理想に結びつけて乗り切るしかないでしょう。 明治維新から150年が経ちましたが、多くの日本人は、自己の人格に自律と自由を確信できていないのだろうと思います。 

ヨーロッパの近代化を振り返り、日本の近代化の特異性を検証してみては如何でしょう?