祝祭日の由来を言えますか?

幼稚園児の子供に11月3日はなぜ休みなのかと聞かれて、「文化の日だよ」と答えました。すると「文化って何?」、「なぜ11月3日なの?」と質問攻めにあいました。子供に誠実に向き合うためには、先ず正しく理解することが必要です。

「学び」

現在の国民の休日は、昭和23年(1948年)に定められた『国民の祝日に関する法律』に基づいています。この法律のなかで文化の日は『自由と平和を愛し、文化をすすめる』と定められています。ちなみに、1947年までは『明治節/天長節』という明治天皇の誕生日による祝日でした。『憲法記念日』とする案もあったのですが、天皇と憲法が結びつくことを懸念したGHQの反対により今の名称になったと言われています。

我々日本人の文化とは何なのかを再確認し、現代にまで引き継がれてきた文化の歴史や引き継いできた人たちの想いに触れる。それが『文化をすすめる』ことだと解釈しています。

「文明と文化」

日本は、日本書紀によれば2700年近い歴史を持つ国家です。長い歴史の中では外国から伝わってきた文明を、日本人は取捨選択しながら取り入れてきました。しかし、江戸末期から明治期の開国により、国として独立し続けるために物質的強さ(国防)と豊かさの実現が最優先事項とされました。そのために諸外国の考え方や技術を、無我夢中で取り入れてきた傾向もあります。

他国の文明を取り入れる際には、その文明が生み出されてきた歴史や人々の想い、文化まで理解したうえで、日本の文化と融合できるかどうかを意識することが大切でしょう。物質的な豊かさに惹かれ闇雲に文明を取り込み続けていると、これまで紡いできた日本文化を破壊してしまいます。これからの幸せを実現するために、文明と文化のバランスに目を向けてみることが大切です。