野菜を作ったことはありますか?

以前から参加してみたかった武蔵野市の農業体験教室に申し込んでみました。新しいことへのチャレンジはいつになっても楽しいものです。

「人間と自然」

9月から始めた農業研修ですが、11月に収穫の時期を迎えました。心配したほうれん草も全て芽が出ていました。「芽が出る」っていいですね。野菜を育てようとすると科学的な知識や経験も必要ですが、なにより臨床的かつ臨機応変な動きが要求されます。「知能(Inteligence)」に加え「知性(Intellect)」が試されるのです。

「学び」

知性の習得は難しいものです。日本の学びは枠にはまった事だけを教える傾向にあります。子供の時は学校が決めた枠、大人になってからは会社が決めた枠です。「framed=枠をはめられる」とはワナにはめられるという意味です。(Bob Dylan 「I shall be released」)。「そういうものだ」と思えば何も考えなくてもいいし、自分で判断しないと知性は育ちません。

「対話」

入力があって計算(思考や教訓)があって出力がある。日本の教育は入力の部分を本人に任せずに、枠のなかで「こういうものだ」を教える。しかしそれでは脳の動き(学習機能)を使えていないのです。経験を積めば積むほど、成功や失敗を繰り返せば繰り返すほど、賢くなる。自己との対話により「自分の枠が出来てくる」のです。

つまり、枠をはめられるのではなく自ら枠を作る。「羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」ばかりでは、新しい経験はおのずと減ってしまいます。

新しいものを食べたり、感動する映画や絵を見たりするのと同様に、農作業を楽しんで脳に入力(インプット)していく。こういったことを繰り返すことによって入力する力である五感を鍛えていく。インプットは選択肢(オプション)でもある。自分で選択を繰り返し、試行錯誤し、錯誤の幅を狭めていく。しっかり自己と対話することが重要になるでしょう。それをサポートするのが本来の教育であり、それは上司の役割でもあるのです。