なりたい自分に向けて、『信念』と『覚悟』を手に入れよう
~自分に向き合う大切さ~ 

自分と向き合うリーダーシップ研修

今年の春先から、クライアント企業のリーダー候補研修に関わってきました。この研修は自分自身に向き合ってもらい、今後リーダーシップを発揮してもらうために何をしていくかを考えてもらうことが目的です。参加者は30代~40代前半、経営がこれからの会社を背負ってもらいたいと考えている人達でした。

研修プログラムの大まかな内容は、以下のような流れでした。

  1. 経営から研修の目的と参加者への期待を共有
  2. 自らが目指したいリーダー像を考えて発表
  3. 社内外の様々なリーダーから話を聞き、新たな気づきや自己認識に繋げる
  4. 自分が目指したいリーダー像を見直し、実現に向けた行動目標を発表

先日『4. 更新したリーダー像の発表会』に同席したのですが、そこで発表を聞いていた社長の発言が印象的でした。

<社長の発言>
人を巻き込み仕事を進めるためのリーダーシップを発揮するには、自分の強い想いという『信念』が不可欠である。また関係者に自分の信念を理解/共感してもらい協力を得るには、日頃から実現に向けた様々な挑戦や努力という具体的な行動を見せる必要がある。我が社にはそのような人材は現時点では限定的だが、研修を通して自分と向き合い、自分の信念を考える機会にしてもらえたのは意味が大きい。

研修の参加者は自分が目指すリーダー像の実現に向けてスタートを切ったばかりですが、自分に向き合い心からなりたいリーダー像を見つけられたので、これからの成長に大きな期待を持っています。

 

取るべき行動を明確にして、覚悟を持つ

研修に同席したり、参加者一人一人との対話を通して、『なりたい自分』(目指す姿)を考えるのと同じくらい、『目指す理由(信念/動機)』や『目指す方法(覚悟と行動)』の大切さに気付かされました。

『なりたい自分』を描いたとしても、今までと同じような姿勢や考え方で仕事に取り組んでいては、自ら掲げた『なりたい自分』にはなれません。行動や意識の変化を自ら起こすことが必要です。具体的に何を変えるのか、どの様な場面でどのような行動を取るのかなど、事前に考えておかないと、これまでの延長で過ごしてしまいます。人間は変化を避ける生き物ですから、仕方のないことなのです。

具体的な行動(意識や姿勢も含め)に落とし込むためによく使う、いくつかの問いを挙げました。

<なりたい自分に向けた『How?』の深掘り>

  • なりたい自分に向け、今の自分に不足しているものは?(能力、スキル、経験、意識など)
  • なぜ自分は目指す行動を取ることができないのか?阻害している要因は?
  • 不足や阻害要因を取り除くために、どのような行動が必要となるか?
  • 必要となる行動の前後関係や優先順位はありそうか?
  • まず今取り組む行動は何か?それを実行する機会は、今の仕事や生活のどの場面か?

具体的な行動計画に落とし込み、自分を追い込むイメージでしょうか。ただ追い込んだだけでは難しいので、自分を変えるという挑戦に挑むという覚悟を持つことが大切になります。ではどのようにして、自己変革の覚悟を強めることができるのでしょうか。

 

なりたい理由を突き詰めて、信念/動機を明らかにする

覚悟を強いものにするためには、強烈な動機付けが必要になります。つまり、『なぜ掲げた姿に変わりたいのか?』『変わって何を成し遂げたいのか?』という目指す理由を、自分の人格まで掘り下げて明らかにする必要があります。人格とは、その人を形成する『価値観(どういった状態を良いと感じるか)』や『判断基準』、『人生観/仕事観』、『原体験』などです。自分とはどのような人間なのかを掘り下げることで、自分の本心から『なりたい理由』を明らかにすることができるようになるのです。

<なりたい自分に向けた『Why?』の深掘り>

  • どのようなことに、やりがいや生きがいを感じてきたか?
  • なぜやりがいや生きがいを感じるのか?
  • なりたい自分を通して、どの様なことをなしたいのか?
  • またそれは、誰に対して、どの様な意味(メリットや価値)をもたらすのか?
  • なりたい自分を、一番誰に見てもらいたいか?それはなぜか?

これらの質問について考えながら、自分の本質的な考えと目指す理由を結びつけることにより、信念に昇華し自己変革(行動)に向け安定した動機になるのです。

『なりたい理由』の考えが浅いと、たとえ素晴らしい『なりたい姿』を策定したところで絵に描いた餅で終わってしまいます。研修に参加した人も、『これまでは尊敬するリーダーへの憧れだけで目標を掲げていたので、強烈な動機づけが出来ておらず目標に近づけていなかった。今回研修を通して深く考えることができ、目指すリーダー像を自分の信念だと宣言できるようになった。これからは信念に基づいて、行動変化を起こしていきたい』と語られていました。

 

 

皆さんもWhyとHowを使って掘り下げることで自分の信念と覚悟を手に入れ、なりたい自分に向けた一歩踏み出してみませんか。私の信念やビジョンに興味を持って下さった方は、『筆者紹介ページ』やブログ『仕事を楽しむ人生に~アイデンティティを再確認~』も読んでもらえると嬉しいです。