時間を注ぐ相手を定めよう 
~特別な存在は自分で作る~

目次

好きなテレビ番組

皆さんはテレビを見られますか?
私はあまり見ないのですが、昔から好きで見ているものがいくつかあります。
(最近は便利になったので、自動録画で撮りためたり、オンデマンド配信を活用しています)

『100分de名著』は、このブログでも度々活用しています。
過去放送されたものから気になったもの選び、テキストを読んだり、放送を見たりします。
作者の経歴や時代背景も理解できるので、書籍を読む時に理解が広がります。

『カンブリア宮殿』と『ガイアの夜明け』は、どちらもドキュメンタリーです。
経営者視点と社会問題視点という違いはありますが、どちらもその時代を反映した企業や社会問題を取り上げるので、共通したテーマを感じることがあります。

先週はそれぞれ違う企業を取り上げていたのですが、私は『顧客一人一人に向き合うことが、社員の幸せに繋がる(働き甲斐改革)』という共通のメッセージを感じました。

 

土着化を目指す良品計画(無印良品)

9月10日に放送されたガイアの夜明けでは、良品計画(無印良品)の新しい戦略を取り上げていました。
ファーストリテイリング(ユニクロ)出身の堂前宣夫氏が社長に就任し、2030年に売上3兆円を目指す計画が注目されていますが、番組が取り上げていたのは『土着化』の取り組みでした。

人口が減少している地域に進出し、地域が抱える課題を解決することで地域と店舗が共に成長していくこと(土着化)を目指しているそうです。

他社と組んで大手スーパーが撤退した場所に衣食住が揃う店舗を構えることで、地域の買い物問題を解決し、地域活性化に向けたイベントなども開催しています。
山奥の集落住民向けに、バスでの移動販売まで行っています。
そのうえ良品計画の社員が町の地域振興課に出向し、新たな特産品作りに挑んだりしています。

住民との対話や現地調査を行い地域の課題や特性を理解し、地域に求められる店舗にするために時間と知恵を注がれていました。

 

顧客のニーズに徹底して応える万松青果

9月9日に放送されたカンブリア宮殿では、京都の仲卸会社である『万松青果』が取り上げられていました。

大型スーパーの台頭で急速に減少している仲卸業界にありながら、万松青果は順調に売り上げを伸ばしているそうです。
ミシュランの星付きレストランや高級料亭などの顧客を増やしていることが、成長要因なのです。

顧客が増える要因は、社員一人一人が主体的に自分の時間を費やし徹底的に顧客ニーズに応えることによって、信頼を得ていることです。
また会社も時には利益を度外視してでも、顧客のニーズを満たすことを推奨しています。

放送では『京都産の珍しいキノコを仕入れて欲しい』という難題に、社員が時間をかけて調べ、実際に農家を訪れ、品質を確認したうえで仕入れ交渉までする姿がありました。

徹底して顧客一人一人に向き合うから顧客満足度は高まり、その噂を聞きつけ顧客が増えるというサイクルが出来ているのです。

また顧客ニーズを満たすため社員に権限を与えており、社員が主体的に動いている姿も映っていました。

 

顧客満足と社員満足の相乗効果を生み出す

良品計画(無印良品)と万松青果に共通するのは、社員一人一人が誰に自分の時間(労力)を注いでいるのかが明確になっている点です。
そして自分の仕事が顧客にどのように貢献しているかが明確になることにより、社員と顧客双方の満足度を高めているのです。

顧客は自分一人(一社)の希望を叶えるために、時間を使って応えてくれた相手に対して満足するはずです。
また相手や会社に感動したり、ファンになってしまうでしょう。

顧客ニーズを満たした社員も、他人に貢献しているという実感を通して、仕事へのやり甲斐に繋がるのです。

 

自分が時間を注げば特別な存在になる

二社の取り組みを見ていて、星の王子さまを思い出しました。
地球にやってきた王子さまが狐との対話を通して、自分が育てていた一輪のバラと、地球で見つけた辺り一面に咲くバラの違いに気づくシーンです。

【王子さまが無数に咲くバラに対して話した言葉】
あんたたちは美しいけど、ただ咲いているだけなんだね。あんたたちのためには、死ぬ気になんかなれないよ。そりゃ、ぼくのバラの花も、なんでもなく、そばを通ってゆく人が見たら、あんたたちとおなじ花だと思うかもしれない。だけど、あの一輪の花が、ぼくには、あんたたちみんなよりも、たいせつなんだ。だって、僕が水をかけた花なんだからね。覆いガラスもかけてやったんだからね。(中略)ぼくのものになった花なんだからね

【狐が王子様に話した言葉】
あんたが、あんたのバラの花をとてもたいせつに思ってるのはね、そのバラの花のために、ひまつぶししたからだよ。

星の王子さま サン=テグジュペリ

 

物語では対象はバラですが、あらゆる対人関係(子供、パートナー、顧客等)にも適応されるのではないでしょうか。

星の王子さまの同じシーンを紹介しているYouTubeがあったので、紹介します。
ライブ配信サービスSHOWROOMを運営する前田裕二社長が、社会人になる卒業生へ送ったエールです。

前田裕二社長によるメッセージ

 

あなたの仕事は誰に貢献していますか?

効率化を求めるあまり、仕事が細分化されてしまっています。
その影響で自分が担当する仕事が顧客にどのように貢献しているのか、見え辛くなっています。

特に営業担当やサービス担当など直接顧客に接する人以外は、顧客の顔が見えずに仕事の意義を感じ辛くなっています。

このような問題を感じ、会社が一丸となって顧客満足を高めるために、色々と手を打っている企業があります。

<取組例>

  • 営業やサービス担当が、顧客情報や反応を全社にフィードバックする仕組みを構築
  • 自社製品の勉強会(顧客や使われ方)を開催
    (B2Bビジネスなど、消費者になじみのない製品を取り扱う業界など)
  • 自分たちの部署の顧客と役割を議論し、お互いに発表する
    (管理部門の顧客は、営業や開発部門とも定義できる)
  • 社内の内部プロセスを、顧客(ニーズ)起点で再整理して浸透させる
    (自分の仕事の位置づけや顧客を意識して、仕事に取り組めるようになる)
  • 顧客への手紙を全部門が手分けして書き、顧客と社員のダイレクトな対話を生む
    高齢者や障害者向けの靴を製造販売する徳武産業では、製品一つ一つに社員手書きの手紙を添えている

 

 

  • 大切なあなたの時間を、誰に注いでいるか意識していますか?
  • あなたに大切な時間を注いでくれている人は誰か、認識していますか?
    そしてその人に、きちんとフィードバックが出来ているでしょうか?

 

人生が幸せかどうかは、案外こういった単純なことが大切だったりするのだと思います。