仕事で浮き沈みの激しい人
- 自分はこれだけ仕事を頑張っているのに、上司が認めてくれない
- 会社のため活動に取り組んでいるのに、誰も賛同してくれない
様々な企業の変革プロジェクトに伴走していると、開始当初はやる気満々で取り組んでいた人も、日常業務の忙しさや様々な問題にぶつかり、やる気を失ってしまう状況を目にします。
会社や組織の変革に必要な活動なのでやる気を高めて推進して欲しいですし、何よりも活動に取り組んでいる本人の成長機会になるのでもったいないなと感じます。人生の多くの時間を注ぐ仕事ですので、前向きに取り組んだ方が自分の人生も豊かになるはずです。
やる気を失っている人や悩んでいる人と対話する時は、仕事に対する『Will』、『Must』、『Can』を自分で再確認できるようになってもらうことを心掛けています。
- Will:自分自身がやりたいと思えることに取り組む、自分自身の意志や希望
- Must:会社や上司、顧客などが求めていることに応える、他者からの期待
- Can:自分がやれること、現在の自分の能力/知識

日本人は上司や会社中心にキャリアを進む
これまで日本と海外で色々な企業とそこで働く人々を見てきて、日本人は『Must』を起点に仕事を捉える傾向が強いと感じています。仕事は会社や上司から与えられ、期待に応えるために学び・挑戦しながら成長する。そしてやれること(Can)を広げ仕事の幅を広げながら、自分のキャリアを登っていくイメージを持っている人も多いと思います。

もちろん会社で働くということは、自分のやりたい仕事をえり好みしていては成り立ちません。相手(会社・上司・顧客)の期待を理解したうえで、自分の役割を担うことが求められています。仕事をMust(相手)起点から捉えると、会社や上司から評価を得ることが仕事の目的に陥りやすくなってしまいます。
周りの評価(期待に合っていたか、期待を超えていたか)を把握して、自分の仕事を客観的に捉えることは大切です。一方周りに評価されることが仕事の目的になると、仕事に対する意欲を自分でコントロールすることが難しくなります。他者の反応というものは、自分がコントロールできる対象外だからです。
自己中心(ジコチュー)で仕事を捉えよう
私は自分のやりたいことを起点にして、目の前の仕事を捉えることを心掛けています。やりたいことといっても、『想いを持った人(経営者/推進者)の支援』や『社員の自律を促すための変革活動』、『新しいことなど自分の成長に繋がる』、『魅力的なXXさんや、〇〇会社と一緒に取り組む』など、曖昧な定義です。
こうした自分のやりたいこと(Will)を起点に、クライアントやパートナーから頂く相談事を整理してやるべきこと(Must)を考え、そのなかから自分にできること(Can)を抽出して提案するようにしています。
相手(クライアントやパートナー)の期待を超えることは必須ですが、自分が想像したよりも相手からの評価が低くても、自分のためにやっているということが明確にできているので、大きくやる気を失うことはありません。(もちろん感謝されるともっと頑張ろうと思えるので、感謝を含めたフィードバックを頂けると嬉しいです。)

自分のWill(夢・希望)を取り戻そう
やるべきこと(Must)を中心に仕事をやり続けていると、仕事を通して自分のやりたかったこと(Will)を見失ってしまいます。仕事は辛いものという日本の文化も、私は変えていきたいと思っています。
どんな大企業や業界においても、中長期にわたって存在し続けられるという保証はありません。Mustで会社や上司のために仕事をやっていると、ある日突然会社や上司を失った時にその先の自分の仕事まで見失ってしまう可能性があります。また自分のWillを起点に仕事に取り組むことが、幸せな人生を過ごすことに繋がっていると感じています。
急に仕事におけるあなたの夢や希望は何ですかと聞かれても、困ってしまう人が多いのではないでしょうか。誰かに聞いて見つかるものではないので、自分自身と対話するしかありません。
どこから考えだせばいいのかと戸惑ってしまう人は、子供の頃の文集などを読み返して夢を思い出すことから始めてもいいかもしれません。また就職活動の時に自己分析を行った人は、当時の自己分析ノートを読み返してみては如何でしょうか。
そういったものが手元にない人は仕事観のアンケートに回答して、自分が仕事をする目的(仕事観)を見える化することから始めてみませんか。簡単にできる自己診断シート(Excel)も、ダウンロードできるようにしています。

仕事観簡易自己診断シート(ダウンロード)↓
またブログ『モチベーションは上がったり下がったり!? ~不安定を前提に環境を整えよう~』では、働く動機(理由)についてマズローの欲求段階説を使って段階的に引き上げていく方法についても書いています。
正しい意味での『ジコチューな仕事』を行い、幸せな人生を一緒に過ごしましょう。