安定と平等という価値

マスクなしにサングラスをかけて自由に歩き回りたいですね。。。

平成の30年間で日本経済の根底にあった「安定」と「平等」という価値が揺らいできたと思う。よく考えないと、今回のパンデミックは日本の価値を根こそぎ持って行ってしまうかも知れません。

我々はただ単にグローバルな市場経済の中だけで生きるのではなく、地球の中で国家を作り、様々な社会的な共同体と関わって生きています。市場経済だけ追い求めると、我々の生きる社会はどんどん不安定で不平等になっていきます。行き過ぎたリベラリズムです。

国家や文化的共同体である社会の中で、ある程度の倫理的な規範(norm)が必要になってくるのです。「エトスが足りない! ロゴスやパトスだけではやっていけないのだよ」とアリストテレスだったら言うでしょう。

90年代以降、「効率」と「競争」が価値あるものと見なされてきました。受験システムで、そういった教育を行ってきた当然の帰結でしょう。「安定」と「平等」は、地域や企業や学校といった集団への帰属意識でした。

恐らく今回のパンデミック以降の日本社会は安定と平等という日本の価値が、グローバリゼーションで騒ぎ出した頃以上に揺らいでくるのではと心配しています。アメリカの場合、能力主義の社会だと言えばそれまでですが、あまりの格差は、さすがにアメリカ人の間でも大きな倫理的な問題となったのです。日本は、倫理観念を保守するものとして国家の役割を考えるべき時です。