社内広報という仕事
~社内報アワードの審査員をやってみて~

社内報の祭典『社内報アワード』

2023年に新しく始めたことに、社内報アワードの審査員があります。社内報アワードとは、Wis Works社が毎年企業から参加を募り実施している社内報コンクールです。様々な社内報(紙、Web、動画など)を部門毎に分け、審査員が企画面(目的や設計など)と制作面から評価しフィードバックを行っています。またコンクールに参加した社内広報担当者たちが交流し、刺激や次の企画へのヒントを与えあうイベントもあります。

社内報アワード審査項目(Wis Works社HPより https://wis-works.jp/award/ )

 社内報アワード審査項目(Wis Works社HPより

私は社内広報を専門にしているわけではないのですが、企業の変革に関わる中で

  • 会社や経営者の考えていることを、如何に社員に伝えるか
  • 伝えた内容を社員がどのように受け止めているかを、どの様に確認するか
  • 受け止め方に応じて、どの様な活動やイベントを開催するか 等

変革活動の推進において社内コミュニケーションを企画推進する支援には携わってきていたので、2023年から審査員として参加することになりました。

 

社内報担当ではなく社内広報(ICP)

審査を通して様々な企業の社内報に、触れることが出来ました。そこで驚いたことは、今の社内報担当者は定期的に社内報を作成することに留まらず、主体的に企画を立ち上げ会社全体のコミュニケーション活性化に取組んでいるということでした。

たとえば『働く意義』というテーマで企画を立ち上げた場合、

  1. 社長や社員のインタビュー記事を、紙やWebで伝達して終わりではありません。
  2. 伝達した記事に対する読者(社員)の興味や関心を、アンケートや個別面談で把握します。
  3. そして社員の関心がより高いテーマに絞り、参加者を募ってワークショップや座談会などのイベントを企画し、自分の考えを深める機会を提供します。

そのイベント内容や参加者の感想をタイムリーにWeb社内報で全社員に発信し、一つのテーマに対して社員一人一人が具体的に考えられるようにしているのです。

このように社内報による情報伝達という一方通行のコミュニケーションから、会社と社員、また社員同士の双方向のコミュニケーションが生まれるように様々な企画を推進するのが今の社内広報担当の役割なのです。このように社内報担当者への期待や役割が変化しており、Wis Works社は社内報をはじめとしたインターナルコミュニケーション施策をミッションとする方々の名称として『ICP』(Internal Communication Producerの略)という言葉を使われています。

社内広報が担う活動の広がり

社内広報が担う活動の広がり

 

情熱的な人が社内広報担当者には多い!?

審査が終了した10月には、授賞式と参加者の交流イベントが開催されました。イベントでは社内報アワードに応募した企業の担当者が参加されていたのですが、皆さん活発に自分達の取り組みを紹介したり、悩みを打ち明けながらお互いにアドバイスをするやり取りが、会場のあちらこちらで見られました。また参加者の皆さんが、とても笑顔で話されていたのが印象的でした。リアルで人と人が交流することの素晴らしさを再確認したと共に、情熱と笑顔が溢れる心地の良い空間でした。イベントの詳しい内容や様子はWis Worksさんが運営する社内報ナビで紹介されていますので、興味のある方は参考にしてください。

審査員の多くは過去に企業の社内広報を担われてきた方や、現在も担当している方が中心です。私とは異なるキャリアの方々との交流を通して、視野を広げさせてもらうこともできました。そのなかでも現役で社内広報を担当しながら審査員を続けられている方の話が、とても印象的でした。

<審査員の話>
私は社内広報の仕事をもっと盛り上げて、学生や若い人に興味を持ってもらいたいと思って社内報アワードに関わっています。社内広報は企業や社員を元気にする大切な役割なのですが、残念ながら正しく理解している人は多くありません。そんな現状を変えることにより、多くの人が社内広報の仕事を希望する状態にし、優秀な人材が社内広報に集まるようにしたいのです。

いつもはクールな方が上記の話をとても情熱的に話してくださったので、印象に残りました。社外広報に比べて社内広報は地味な印象もあったのですが、とても情熱的な方が多いことを知り、これからの社内広報(インターナルコミュニケーション)が楽しみなりました。

 

会社には、様々な役割の仕事があります。どの仕事にも目的があり、目的を大切にしながら情熱を持って主体的に取り組むと、仕事は楽しくなるはずです。社内広報の仕事に興味を持たれた方は、是非お声がけ下さい。情熱的な社内広報の方々を、紹介させていただきます。