相談相手がいる幸せ 
~メンター、コーチ、カウンセラー ~

主体的な活動こそ意味がある

付き合いのある会社の方から、工場で働く社員の人たちが取り組んでいる活動の発表会に招待してもらいました。付き合いは長いのですが対話の中心は本社勤務の人たちだったので、製造現場の状況を知るいい機会だと思いウェブから聴講させてもらいました。

活動のテーマは現場改善活動に加え、コミュニケーション、エンパワーメント、ルール、デジタル、リーダーシップなど多岐に渡ったのですが、共通点は参加者が自ら取り組むテーマを決めていることでした。活動全体を支援されている製造現場の責任者は、社員一人ひとりが新しいことへの挑戦を通して成長してもらいたいという想いで、時間を作って活動に取り組んでもらっているとのことでした。

それぞれの活動の発表は約十分だったのですが自分たちで取り組みテーマを決めて進めているだけあって、発表者の情熱や想いを画面越しでも感じることが出来ました。またどの発表も活動を始めた背景や目的をきちんと説明されており、活動の意義を一人ひとりが強く持って進めていることがわかりました。

最近は目的が曖昧なままDXなどという言葉にも踊らされ、やること自体が目的に陥っている活動を目にすることが多かったので、どの活動発表も興味深く聞くことが出来ました。プレゼンや資料の上手下手ではなく、想いがしっかりしていることが大切なのだと改めて感じました。そして想いを持つには、主体性が前提となるのです。

 

離職対策としてのメンター制度

今回の発表のなかに、メンター制度導入に取り組んだ活動がありました。昨今の人手不足もあり採用に困っていることに加え、若い世代を採用しても離職が後を絶たない状況だったそうです。そこで社員達自ら若手社員が退職する現状を分析し、『人間関係』、『社員間の年齢差(50代60代が多い)』、『昭和的な職場風土』という三つの問題を見つけました。そしてこれらの問題を相談する相手がいないまま、入社して間もない若手社員が退職しているという原因に至りました。

同じ職場では人間関係もあり率直に職場の悩みを相談するのも難しいと考え、別の工場に所属する先輩社員に気軽に相談できる機会を作るために、メンター制度を導入してみることにしたのです。まずはメンター制度導入を進めた20代30代の社員が新しく採用した若手社員のメンターとなり、仕事以外のことも含め雑談をしながら相談に乗ることになりました。

メンターとなった社員達も初めての経験で、自ら書籍などを参考に試行錯誤を重ねメンティーとの信頼関係を少しずつ築いていった苦労も報告されていました。こうした苦労を重ねた結果新入社員の離職率も改善され、メンター制度をこれから広げていく予定とのことでした。

人は他者に話すことで自分の考えを整理したり、悩みや不満を和らげることができる。そして身近に誠実に相談にのってくれる、話を聞いてくれる、自分に関心を持ってくれている人がいることの重要性を、改めて確認することが出来ました。

 

様々な相談相手

本来上司が部下の相談にのり、解決に向けた支援をすることが求められています。ただ悩みの内容によっては、上司には相談し辛いことが多々あります。仕事以外の悩みや、上司自身が悩みの原因になっていることも少なくないのです。

そのため職場の上司以外にも、相談相手がいることが大切になります。我々コンサルティング会社では、一般的に3つの相談相手を持つようになっています。(会社はコーチとカウンセラーを決め、メンターは自ら社内外から探すことが一般的)

  • コーチ(COACH):一緒に働く先輩で、日々の仕事をサポートしながら必要な知識/スキルを伸ばしてくれる人
  • カウンセラー(COUNSELOR):日々の仕事から一歩引いた視点で、キャリアや育成に関わってくれる人(評価や仕事のアサインなどにも関わる)
  • メンター(MENTOR):社内外を問わず、仕事や人生など様々な内容を相談する相手
様々な相談相手(メンター、コーチ、カウンセラー)

 

それぞれの視点

 

一般的な事業会社では、職場の上司がコーチとカウンセラーの両方の役割を担っていることが多いです。ただ実際には短期的な仕事遂行に偏重している管理職が、多いようにも感じています。短期的な実績が強く管理職に求められるようになり、日々の業務や業績に偏重せざるを得なくなっていることも原因ではないでしょうか。

 

相談する相手がたくさんいるということは、それだけ自分に関心を持ってくれる人が多いということを実感できます。また色々な人から考えを聞くことが出来るので、自分の考えを広げる機会にもなります。相談先が一人だと、相談相手の言ったことを鵜呑みにしてしまう傾向も強くなってしまいます。

人生を幸せにするヒントは、至る所に散らばっていると思いませんか。