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コスモポリタンにも人の温もりはある
日本に戻って5年ほど東京西部(多摩地域)に住んでいるのですが、気に入っています。
我が家の裏には農地が広がっており、若いご夫婦が楽しみながら毎日農業をされています。
一斉休校になった昨年は近所の子供たちのために、子供向けの農業体験会(お手伝い)を開催してくれていました。
我が家の子供たちも、農地を走り回ったり、土いじりをして過ごしました。
また季節の野菜をお裾分けして下さるので、新鮮な野菜が食卓に並びます。
東京暮らしというと殺伐とした印象を持っていたのですが、近所の高齢者も子供にやさしく、温かみがある地域で愛着も感じています。
こどもの数は40年連続で減少
総務省が毎年実施している子供の数の統計が、発表されていました。
2021年4月1日現在におけるこどもの数(15歳未満人口。以下同じ。)は、前年に比べ19万人少ない1493万人で、1982年から40年連続の減少となり、過去最少となりました。
統計トピックスNo.128 我が国のこどもの数 -「こどもの日」にちなんで-(総務省統計局)
こどもの割合(総人口に占めるこどもの割合。以下同じ。)は、1950年には総人口の3分の1を超えていましたが、(途中省略)
2021年は11.9%(前年比0.1ポイント低下)で過去最低となりました。なお、こどもの割合は、1975年から47年連続して低下しています。
シルバー民主主義とは?
子供の数や割合の低下は、日本の将来を考える必要性を突きつけているように感じます。
少子高齢化社会がもたらす問題は多岐にわたりますが、『シルバー民主主義』は気になるテーマの一つです。
高齢化社会の進展に伴い、政治家が高齢者を重視した政策を打ち出さなければならなくなり、現役労働者である若年・中年層よりも、引退し年金を受け取っている高齢者を優遇せざるを得ないという政治状況になりつつある。これは、一般にシルバー民主主義と呼ばれている。
Wikipedia
顕著な例としては、後期高齢者医療制度への反発が第45回衆議院議員総選挙における自民党大敗および民主旋風の一因になった。
高齢者重視+現役世代重視へ
民主党による政権交代によって、高齢者向け政策を維持しつつ現役世代向け政策も重視する流れが定着して現代に至っているという考え方もあります。
高齢者に対する支援は維持しつつ、現役世代への支援も拡張する。
有権者に対して全包囲網的な政策により、票を確保するという考えのようです。
児童手当や幼児教育・保育の無償化は、幼稚園児を持つ我が家にとっても助かっています。
また寿命が延びるなか、健康的に生涯を過ごすための社会保障は、人々の不安を抑えるのに役立っているのは言うまでもないでしょう。
今の政策はどれくらい先の将来を見ているのか?
高齢世代も、現役世代も安心して過ごせる社会。
ただ全包囲網的な今の政策は、持続可能なのでしょうか。
MMT(現代貨幣理論)などでは、いくら日本円ベースで借金(国債発行)しようが問題ないという話もあるのですが、、、
将来について確実な唯一のことは、誰もが毎年『1才』年齢を重ねるということです。
つまり今の年代別人口構成は、これから変わることはありません。
もちろんこれからの年代(来年以降の0才)は出生率を高めることで変えられますが、ハードルは高いでしょう。
次の世代に正の遺産を引き継ぐために
そうだとすると、今の現実(年代別人口構成)を受け入れ、次の世代に正の遺産を引き継ぐための議論を進めて行きたいと考えています。
- どのような社会を目標として掲げるのか?
- そのために、各世代が担うべき役割は?
- 役割をになうために、必要な知識・経験・姿勢は?
- 各世代の基礎となる子供時代に必要な教育とは?
自分の子供や孫には充実した人生を送って欲しいという想いは、全世代共通です。
家族や知り合い(友人や近所)であれば、無意識に『相手に対する愛情』を持ちながら、相手を一人の人間として尊重し、自己と相手のバランスを取っています。
ただ相手が顔の見えない誰かになると、急に愛情が消えてしまう。
自分の子供には、他者に対する愛情を持てる人間になって欲しいと強く思います。
また自分自身に対しても、強く意識しようと思います。
愛情があってこそ、豊かで充実した人生になると信じていますので。