2030年代を想像してみよう 
~自分と家族、日本と世界の未来~

代表から届いたメール

お正月も終わった1月の中旬、弊社の好川代表からメールが届きました。今年は年末までバタバタしており遅くなったのですが、ちょうど昨年の振り返りと今年の目標を考えていたので良いタイミングでした。今年は7年先をふまえたうえで、目標を考えることにしました。

<好川代表からのメール>
7年後に2030年代に入ります。皆さんそれぞれ 7年後はどうなっているかシミュレーションしてみることをお勧めします。自分、家族一人一人、親御さん、世界情勢(特にアメリカ、中国、アジア)、そして日本社会の7年後。日本は何も変わっていないという意見が大多数でしょうが、確実に言えるのは、日本国民が今よりも全員が等しく7歳年を取るということです。生産性は? 給料? 少子化対策は?(中略)
今の日本人は「無常」ということを理解していない、または考えたこともないのではないかということです。古くは『万葉集』、『平家物語』から『方丈記』と、日本人は無常観を考えた。それはギリシャ哲学の世界と同じようなもので、やはり人間とは?人生とは?幸せとは?を考えた。多くの日本人は時間(または人生)の感覚がないのではないか? 無限とか永遠ってあり得ないでしょう。限られた人生(時間)をどう生きるか? 考えたほうがいい。

クライアントが自社や自組織のビジョンを考えるワークショップやプロジェクトに関わっていることもあり、私も7年後の未来を考えてみることにしました。

 

未来を考える視点

人生を構成する『家族(生活)』と『仕事(志)』の両方から、未来を考えました。

  1. 家族:子供たちは何歳になっており、どの様な状態か?かかる費用は?
       両親は何歳になっており、介護等どのようなことが必要になっているか?
       生活にかかる費用は?どこで、どのような生活をしていたいか?
  2. 仕事:自分はどのような仕事をしていたいか?
       どのような人や組織に対して、どの様な価値を提供していたいか?
       どのような社会を実現することに貢献していたか?

また自分の7年後を想像するためには、家族や仕事に影響を与える『外部環境』の変化をおさえておくことが大切です。外部環境は、生活基盤である『日本』と、日本に影響を与える『世界』の変化を理解しておく必要があります。

シュミレーションの視点

 

日本と世界の変化をイメージする

インターネットで『2030年の日本』や『2030年の世界』などのキーワードで検索すると、多くの情報を見ることが出来ます。また『メガトレンド』と言われる、社会のあり方に大きな影響を与える変化を調べても、将来をイメージすることに役立ちます。

総務省が公開している『2030年頃における世界と日本のメガトレンド』という資料も、世界と日本の変化の繋がりや視点を考えやすいと思いました。

また変化を考える際には、ブログサイト『迷子になる地図』で紹介している『6つの視点』も役に立ちます。

<6つの視点>

  1. 人間と自然:環境問題、エネルギー問題、食料問題、感染症/パンデミック 等
    ⇒SDGの目標達成年は2030年。持続可能に向け、どの様な変化が必要になる?
  2. 個と公:民主主義や資本主義の行方、貧富の格差、人口問題、都市への集中 等
    ⇒個人や自由偏重による歪みが表面化。公(社会)を維持させるための変化は?
  3. 文化と文明:価値観や生活様式の変化(働き方・働く目的、多様なニーズ等)
    ⇒個人の価値観が変わるなか、どのような社会が必要となる?
  4. 学び:教育の目的(必要となる人材像)変化、教育の位置づけ変化(生涯学習へ)等
    ⇒2030年には仕事の半分がAIに代替されるとも。将来必要な人材に向けた教育とは?
  5. 対話:ジェンダー、民族/文化、世代、国/地域間に生じるギャップの変化
    ⇒激しくなるギャップの解消、相互理解と連帯に向けた対話のあり方とは?
  6. デジタル:デジタル技術の進化、社会に実装された姿、リアルとデジタルの融合 等
    ⇒リアルとデジタルの境目が曖昧になるなか、幸せになるデジタルの使い方とは?

 

私にとっての2030年代とは?

2030年代の自分を考える時に、論語の一節が頭に浮かびました。

私は十五歳で学問に志した。三十歳で自分の精神的立脚点を定めた。四十歳で方向に迷わなくなつた。五十歳で天から授かった使命を悟った。六十歳で自然に真理をうけ容れることが出来るようになつた。そして七十歳になってはじめて、自分の意のままに行動しても決して道徳的法則にそむかなくなった。

現代訳論語(下村湖人) 

私の『精神的立脚点』(人生の目標、ビジョン)は、筆者紹介ページにも記載している『組織と個人の自律を通して、活き活きと自分らしく働き暮らせる社会の実現』です。

日本に拠点を移した2016年頃に言葉にしたもので、30代前半でした。2030年代は私にとって40代から50代を過ごすタイミングです。40代では目標に向けて、迷わずに色々なことに挑戦しながらやってみる。そして50代でそれまでの人生を振り返りかえり、自分にできること、できないことを冷静に分析し、できることのなかから社会(人や企業・組織)に対してこういった貢献をするという決意が持てるようになりたいと思っています。2030年代は私にとって、人生のクロージングに向け明確なゴールを設計する大切な期間なのです。

2人の子供が中学生になり、親や親戚の介護など、色々な悩み事が増えてくる時期でもあります。そういったことに対しても、事前にシミュレーションをすることである程度余裕をもって対応できるのではないかと思っています。

シミュレーションした通りに実現することが目的ではなく、起きるべき変化(リスク)を事前にイメージすることで、余裕を生むことに繋がります。また人生は一度っきりでやり直しは出来ませんが、シミュレーションなら何度も行えます。

 

皆さんにとって、2030年代はどのような期間になるのでしょうか。是非時間を取って、7年後の姿を想像してみませんか。